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グリーフケアとは
人は生れ、そして死を迎えます。それは万人に平等に存在し「命ある」ものには必ず「死」が訪れます。
そして、愛する家族や親しい友を亡くした後に体験する複雑な情緒的状態を「グリーフ(悲嘆)」と呼んでいます。
愛する人を亡くしグリーフに陥ることは正常な反応です。
しかし、現在の世界社会や日本社会を見るとき、戦争、民族間紛争、災害、事故、事件などで無念な最後をとげる人々が多くおられ、
心の準備ない突発的な最後をとげられた遺族のグリーフは深刻な状況となっていると言えます。
どのような死であっても、遺族にとっては辛く複雑なグリーフ状態といえますが、
上記したような死因が増える中、更に「グリーフ」について人々の関心が高くなっていると言えるのではないでしょうか。。
人は死別などによって愛する人を失うと、大きな悲しみである「悲嘆(GRIEF)」を感じ長期にわたって特別な精神状態の変化を経てゆきます。遺された家族が体験し、
故人のいない世界に適応していくこの悲嘆のプロセスを「グリーフワーク(GRIEFWORK)」と言います。
愛する人との死別を体験した人は、誰もがこのグリーフワークのプロセスを歩みます。
グリーフワークのプロセスは、年齢や性別、死別した状況、故人との生前の関係性など、
個々人によって異なりますが、グリーフ状態はいつの日か徐々に終結へと向かうと考えられています。
そんな中、親や兄弟を亡くした子供たちは、大人とは異なる悲しみを抱え、異なる悲嘆のプロセスを経過します。
更に、東日本大震災のように突然、自然の力で降り注いだ人の死は、子どもたちは勿論、
ご遺族に想像を超える悲嘆を経験させることとなります。グリーフへの適応は個々人により期間も変わります。また、そのプロセスも個々違うということを知り、グリーフケアを意識した関わりを行っていかなければなりません。
グリーフケアは一般的に死別後の遺族への援助と考えますが、
大切なひとの死前後を問わず結果として遺族の何らかの助けになる行いのことを意味します。
もちろん、大切なひとの死が安らかであることも重要です。また、遺族にとって過去を振り返る中で、
いくつかの出来事や事柄について「良かった」と思えることが、少なからず心の支えになるのだと考えています。
そのようなことからグリーフケアが考慮された終末期医療や、
お葬儀自体がグリーフケアと考えることが出来ると思っています。
京都グリーフケア協会は日本の地域社会にしっかり根付いていた家族機能が人間関係を強固にしていた一因と考え、 その人と人との密な関係が親族や大切な人の死で起こったグリーフを癒していたと考えています。 しかし、現在は小家族化や情報発達・交通発達の影響で物理的な住まいの遠距離化も生まれ、 家族という大切な人間関係も希薄なものへと変化しグリーフも形を変えました。 このような状況から「悲嘆者」はより孤独となり、意図をもって第三者のケアを受ける必要が生じるようになっていると考えています。 ただ、冷静に見れば、グリーフケアという概念が先行する諸外国よりも日本の家族の絆は近年まで強かったとも言え、 私どもの活動で人間関係が希薄になる日本社会を可能な限り加速させないことができないだろうかと考えています。 このような思いを抱きながら、グリーフケアの専門的知識・ 援助技術を備えた実践型人材がより多く育成できればと思っています。