受講者の声 看護師・助産師コース
森田 智子 様
前病院で勤務していた十六年間、急性期病院での様々な看取りを経験しました。
臨地実習指導者の役割も長くいただいており、学生と共に患者様を看取らせていただくこともあり、経験値だけでなく理論に基づいた看取りの話を伝えられる力が必要だと感じていました。
病棟看護師は、ご遺族の方々とお会いする機会が非常に少なく、その後が気になりながらも介入の術がない現状があり、入院中の関わりに留まってしまいます。その中で、患者様だけでなくご家族様に対して何ができるのか、終末期の家族看護とはどんな事なのか自問自答の日々でした。患者様やご家族様の思いを傾聴し、誠実な対応に努めてきましたが、自分の対応は本当に良かったのか疑問が残ることもありました。
そんな時、インターネットで京都グリーフケア協会を知りました。
子育て期間のライフスタイルを考慮し転職を決めていたので新職場への入職に備え、短期集中での通学となりました。協会スタッフの方々に短期コースのコーディネートと丁寧なサポートをしていただき、四ヶ月でアドバンスまで終了することができました。
各専門分野での有名な先生方の授業内容は毎回新鮮で、期待以上のものでした。
少人数制の参加型授業で、涙あり笑いあり、様々なワークを通して自己理解も深まりました。グリーフ体験者である先生方からは、当事者ならではの貴重な心の声や医療者に対して感じた正直なお気持ちも聴かせていただきました。その中で自分の対応が適切であった点、寄り添いきれていなかった点が明確になりました。
卒業と共にいただいたグリーフケアサポーターの認定資格と今までの全ての経験を自信に変え、新たなスタートをきりたいと思います。
入職間もない病院は緩和ケア病棟を有するパリアティブケア病院です。入院中の全ての患者様が安らぎの時間を過ごし、穏やかな死を迎えることができ、ご家族様が安心して看取り、後、順調にグリーフワークの時期を過ごせるような療養環境をできるだけ早期に整えられるよう“今、私にできること”を模索中です。
最後になりましたが、協会でお会いした全ての方々に深く感謝いたします。