受講者の声 看護師・助産師コース
母子医療センター
助産師
佐々木 史恵 様
流産、死産、新生児死亡を体験した母親に対してのケアはどのように行えばよいのか、現在運営している家族会を再度見直したい、ケアに関わるスタッフのセルフケアについて学びたいと思っていました。数年前に病院に届いた京都府グリーフケア協会のパンフレットを見て、グリーフケアについて一から学んでみたいと思っており、昨年より受講することにしました。
以前の私は何か医療者として、してあげなければいけないと思い、無理に気持ちを聞き出そうとしたり、こうしてみましょうと押しつけてしまっていたように思います。気持ちを理解することはできないけれど、分かろうとすることはできる。それが大切であることを学びました。基礎から学び直してからは、一緒にいる時間を大切に感じたり、亡くなった赤ちゃんのことを一緒にお話し、今できることを提案し、お母さんがやってみたいと思うことを一緒にするようになりました。沈黙が怖く、逃げ出したくなることが以前は多かったと思いますが、今は沈黙を大切な時間に感じています。
お腹の中で育ててきた尊い命を急に亡くしてしまい、お別れをしなければならなくなってしまった母親やその家族に対して、辛く悲しい想いを少しでもはき出してもらえたら、赤ちゃんとの別れを、受け入れることは難しいかもしれないけれど、限られた時間の中で、母親として家族としてできることを少しでもかなえられたらと思い、力になりたいと感じています。
スタッフも気持ちを理解しようと一生懸命に寄り添おうとするあまり、辛くなり、泣いてしまったり、感情をコントロールできなくなることもあります。スタッフがセルフケアをしながら母親や家族を支えていけるように、今後学んできたことを伝達していけたらと考えています。
グリーフケアを学んでいく上で、自分も悲嘆の過程をたどっている最中であることにも気がつきました。祖父を東日本大震災で亡くした私は、当時は葬儀もできず、火葬も数ヶ月後に行うという異例のことが起こってしまっており、5年経とうとしている今、自分の中で整理ができていないことに気付かされました。自分と向き合うことの大切さも学べたように思います。
最後に、講師の皆様、研修で出逢ったかけがえのない仲間、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。