受講者の声 看護師・助産師コース
在宅看護師
安藤 陽子 様
グリーフケアを学んで
私は、看護師になった時からターミナルケアに携わりたいと思っていました。
その理由は私自身もはっきりしないのですが、その根っこは母の死にあると思います。47歳の若さで難病を患い、根本的な治療もできないまま天に召されました。その時から生きること、死ぬことを何度となく考えてきたように思います。
母の死から数年後に看護師となり、常に頭にあるのは母のために何をしたのか、何をするべきだったのかを考えてきました。しかしその答えはなかなか見つかりませんでした。
いろいろな方と関わりそれぞれの死にもかかわってきましたがターミナル期の患者さんにとって良い看護ができたとは思えませんでした。
その中で私を駆り立てたのは、時々開催される沼野直美氏の講演会でした。患者さんと密に関わりたいと思いながらもどのようにして良いのかわからず長い時がすぎました。
2年前に勤務していた特別養護老人ホームで京都グリーフケア協会のグリーフケア講義の冊子を見つけ、学ぶべき時が来たと思い、迷いもせず申し込みをしました。
グリーフとは…と学ぶ中でグリーフは人の死だけでなくいろいろな喪失体験の中で出てくるものであると知りました。いろいろなグリーフを抱えながら生きている、その中でも家族の死は耐え難いものです。
グリーフケアで必要なことはその方の死と、そのご家族の思いを受け止めるだけでなく、その方の生きてこられた人生やご家族との歴史も含めて理解していくことも必要であると思いました。
どのような人生を送ってこられたのか、その方の命の最後の時までどのように生きることをサポートしていくのかを考えながら関わり、またその方の思いを感じ、聴き取る力をつけたいと思います。
今、クリニック出て在宅看護師として仕事をしていく中で、とても大きな学びとなりました。
少人数で一人一人の看護観や経験されてきたことをシェアし、話を聴きながら学べたことは貴重な経験でした。一緒に学びをともにした方々、またともに共有できた時間、いろいろな学びを提供してくださった先生方に感謝いたします。