受講者の声 介護・福祉従事者コース
看護師・介護支援専門員
今井 知世美 様
私は、特別養護老人ホームの看護師として働いており、施設の「看取り」の担当者として利用者とそのご家族と関わってきました。特別養護老人ホームは病院と違い、生活の場です。そして、人生の最期に向けて静かに待つ場所でもあります。現状を維持することはある程度の時期までは可能です。が、「死」というものに進んでいる場所でもあります。体調や身体の変化、昨日できたことが出来なくなっていく現実を受け止めきれない方もいらっしゃいました。私には何が出来たのか、そして何が出来なかったのか。自問自答する日々でした。
そんな時にグリーフケアと出会いました。他の研修の配布資料の中にグリーフケアの資料があり、それを持ち帰ったところ、施設全体でグリーフケアを学びそれを現場で生かしていこうというということになりました。
6回の研修を通して、私が考えさせられたのは、見送る人と見送られる人の立場です。日々衰えていく現実を受け止めるのは、もしかしたら本人より周囲の方が難しいのかもしれません。ずっと一緒にいて欲しい、それが出来ないのならば、一分一秒でも長く。それは残されるものすべての願いです。ですが、その願いが逝く人の苦しみを長引かせるものであったとき、どうすればいいのか。逝く人の一番の願いは何なのか。私たちは、それをどうサポートできるのか。
医療者として、施設で働くスタッフとして、利用者の立場に寄り添うことを考えて仕事に取り組んできました。勿論それはとても重要なことですが、逝く人の願い、送る人の思いにもう一歩踏み込んでゆくことの必要性を感じました。それはとても困難なことですですが、施設の全スタッフでグリーフケアとは何なのか。これから考え取り組んでいきたいと思います。
今回、講師の方々との距離が近い中でこそ学べる研修であったと思います。ありがとうございました。